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三村和也ブログ

2015年6月23日

国会延長と安保法制

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20150623image1.JPG

今朝は星川駅。

(なお、近況は


で継続してますので、適宜フェイスブックも御覧ください。)

さて、国会は戦後最長の95日間延長となりました。

政府与党は、憲法59条の「60日ルール」(法案が参院送付後60日たっても採決されない場合、衆院で再議決できる)を使って、強引に安保法制を通そうとしているのでしょう。

昨晩もあるシンポジウムで安保法制への危機感を共有したので、以下政府の安保法制の問題について極めて問題があるという点について解説します。

ぼくは防衛省で2年勤務し、政権に居た時は防衛大綱改定の仕事もさせてもらいましたが、その立場からみても、今回の安保法制は非常に突拍子ない危険なもので「日本の防衛と乖離して極めて無駄に我が国のリスクを高める」制度だと言わざるを得ません。

さらに政治論とは別の法制度論として違憲である蓋然性が極めて高いわけで、「立憲主義の観点」からも絶対に廃案にしなければなりません。(最近の与党の政治家の発言を見ると立憲主義に対する無知と不遜に驚いてしまうこと多数ですが、それを見過ごしているマスコミや世論にも責任はあります。)

まず、「積極的平和主義」という概念は、実は民主党政権の時に導入したものです。現代の複雑な安全保障環境では一国平和主義で自国を防衛するなど不可能で、積極的に世界の平和構築に貢献していく中で自国防衛をはかる、というものです。その必要性にはまったく異論はないわけです。

しかし、安部さんはホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合、停戦合意前でも自衛隊が機雷を除去する必要性を強調していますが、国際法上、停戦合意前の機雷除去は即、戦闘行為=相手国への宣戦布告になります。

そうなると、日本は相手国からの攻撃対象になるわけです。相手が国ではなくテロ組織であればさらに最悪です。ヨーロッパの情勢を見れば、敵国またはテロ組織から標的にされれば、国内自爆テロ等が容易に続発することは想像に難くないはずです。

では、それでもなぜ、ヨーロパ諸国が中東に自国軍を派兵して平和構築に尽力しているのかといえば、それはヨーロッパ諸国にとって中東情勢は自国防衛と極めて密接に直結しているからです。もちろん安部さんのいう通り我が国にくる原油の8割がホルムズ海峡を通るというのは事実ですが、エネルギーの問題はエネルギー安全保障、多様化といった「政策」で解決できます。我が国とは比べものにならないほど、自国への難民流入も含めてヨーロッパ諸国にとって中東の不安定さは「危険」であるわけです。

では我が国にとっての自国防衛に極めて密接に直結するリスクとは何か?それは決してホルムズ海峡ではなく、尖閣であり、北朝鮮です。

その意味で、遠いホルムズ海峡よりも、武装した漁民が大挙して尖閣諸島などに押し寄せてきたときに自衛隊が対処できるようにするための「領域警備法」の制定が我が国防衛の喫緊の課題です。民主党は対案としてこの「領域警備法」を用意していますが、政府はこれだけ多くの安保法政を出しているにもかかわらず、この点についてなんら法的措置を行わない方針です。

だから冒頭にいったように今回の安保法制は「非常に突拍子ない危険なもので日本の防衛と乖離して極めて無駄に我が国のリスクを高める」ものであるわけです。

我が国防衛のリスクを無駄に高めるのではなく、差し迫ったリスクに現実的に対応する防衛政策をとるべきであり、安部政権の安保法制は廃案にしなければなりません。

かつ、法制度論的にも憲法違反の蓋然性が高いわけですから、与党はどうしても成立させたいなら、正面から憲法9条改正を掲げて解散総選挙を行って国民に信を問うべきです。


横浜市保土ヶ谷区・旭区
三村和也

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