2014年10月10日
アベノミクスの失敗
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最近になって、アベノミクス、というか、安倍政権の経済政策がまったく日本経済の成長に貢献していないことを表す統計数値がいろいろと出てきています。
最新の4-6月期のGDP成長率は年率▲7.1%。これは消費増税の反動減の影響があります。安倍政権になってから、新聞の経済記事が御用新聞化していて、景気がよいことを示すニュース、消費増税の影響は軽微だとあおるニュースが大きく紙面を占めていることが多くなっています(こういった現象はバブル期にも、おこっており、不安があります)が、数字は嘘をつきません。経済政策が上手くいっていないため、消費増税の影響がもろに出てしまっています。
4?6月期の家計消費は年率19.5%減少。住宅投資は35.6%減少、民間設備投資も18.8%もの減少です。
次の四半期、7-9月期は、さすがに回復する予想でしたが、製造業の景気を示す鉱工業生産指数(IIP)が市場の予想より大幅に悪く、最新の数値で前月比▲1.5%となっていたため、エコノミストの多くは7-9月期のGDPの予想を下方修正しています。
実はわたしは社会人になって経済産業省で最初に配属されたのが統計を扱う部署だったので、数字のことになると筆がとまらないのですが、これら、消費増税の関連の他にも、
輸出入で日本に入ってくるお金を示す「経常収支」
12年度(民主党政権)4.2兆円プラス →13年度8千億円、14年度はマイナス5千億円と、下がり続けています。
また、日銀がお金をじゃぶじゃぶ刷って、世の中のお金を回す異次元緩和がアベノミクスの唯一の今までと違う政策でしたが、肝心の銀行からの法人向け貸し出しは増えておらず、なんと企業の内部留保が拡大の一途をたどっています。お金が回っていないのです。
さらに、インフレが、原材料のコストが上がることによって起こる「コストプッシュ型インフレ」になってしまっており、「悪い」インフレに陥っています。このため、原油価格や小麦価格の上昇によって、生活費は上がり、実質可処分所得が低下しています。
民主党政権後、確かにGDPは上昇しましたが、その主要因は、25兆円もの復興需要、国土強靭化などの公共事業の影響だったわけであり、未来の借金で数年のカンフル剤を投与しているようなものです。肝心の規制改革は結局放置されています。岩盤規制を打ち砕く規制改革とそれによる日本経済の成長。ここにこそ私たちの世代の政治家の役割があると思っています。
三村和也