2014年1月24日
通常国会での争点は
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今日から通常国会が開会します。
2014年の新年が明けてから早くも3週間以上経ちました(汗)年明けからは毎年恒例で、横浜市内での賀詞交換会・新年祝賀会などに参加させていただき、かつ2月に開催する自身の早春の集いの準備で多忙を極めています。
新年祝賀会などでたくさんの方々とお話する機会をいただいて話題になるのは、「今年の経済・景気はどうなっていくのか?」ということです。私は、今日開会される今期の国会で最大の争点にしなければならないのは、その経済政策だと思っています。
4月に3%引き上げられる消費税に関しては、あまりマイナスの影響は出てこないという見立てが多いようです。しかし、これは楽観的すぎで、一時的な数兆円の経済対策で帳消しになるようなものではなく、実体経済には明らかにネガティブな影響が出てくるでしょう。
そこで重要なのが、景気対策的なワンタイムの財政出動ではなく、成長の芽を育てる経済政策です。アベノミクスでこれまでの政策と異なるのは異次元の金融緩和だけで、財政出動は昔ながらの政策だし、規制改革・成長戦略は実は実質的にはいまだに手が付けられていません。肝心の金融緩和も景気次第で今年後半以降日本経済のリスク要因となりかねないもの。
したがって、重要なのはTPPや農業、医療などの岩盤規制といわれる分野の規制改革に踏み込み、成長産業・企業を創出させること、イノベーションが起きやすいよう、企業や個人に自由を与える制度改革を実行すること。さらには、イノベーション人材を育てる教育に長期的視野にたって力点を置く教育改革を進めること。こういった改革に踏み込めるか否かで日本の今後が変わってきます。
昨年末から、大学や企業の方々と、イノベーションを起こしやすくするにはどうすべきかという点での研究を行っています。日本では、イノベーションという言葉が長きに渡って「技術革新」と訳されてきましたが、イノベーションは「技術」の「革新」だけではありません。イノベーションの提唱者・シュンペーターによれば、イノベーションは、物事の「新結合」や「新しい捉え方」、「新しい活用法」を創造することで新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことで、アメリカで生まれたインターネットやFacebookなどがまさにそうでしょう。一方で、戦後、トヨタが「カイゼン」方式で自動車製造を合理化したことや、ソニーがウォークマンを開発して人々の音楽の聞き方を変えたことも「イノベーション」ですし、iモード、スマフォも、新たな価値を生み、社会を変える「イノベーション」でした。ようは、なんとなく横文字の、専門的な科学技術が必要なのではなく、それまでの常識にとらわれない自由な発想で新たな価値を産み出し、社会を変えるもの、がイノベーションで、歴史的に、そのイノベーションが生まれつづけている国・社会が常に経済成長に成功しているということです。
今後の日本の経済が世界のトップクラスであり続けられるようにするため、金融緩和で時間稼ぎができている今年のうちに、イノベーションを産み出し育てるための必要な改革を行えるかどうかが日本の今後にとって極めて重要です。雰囲気に流されることなく政府の政策を厳しく監視し、対案を提言していきたいと思います。
前衆議院議員 三村和也