2013年8月 2日
ねじれ解消→大昔の政治に?
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参議院のねじれ解消で自公政権にとっては政権運営が劇的に容易になる状況になったはずです。政権運営が容易になることは総理のリーダーシップを高める上で良い事ですが、その政権が殿方向を向いているかが問題。
先月の参院選の比例代表の当選候補をみると、自民党はほとんどが「業界団体」の組織内候補か有名人です。この得票分析をすると、参議院が良識の府ではなくて、業界団体の組織代表が利益分捕り合戦を行う府になってしまう現状が見えてきます。
実際、いま、来年度予算要求に向けて、ねじれを解消した自民党の参議院が圧力を強めているという動きが出始めました。
8月1日の時事通信では
「自民、強める歳出圧力=参院選大勝で「恩返し」」というタイトルで、
「今月末に締め切られる2014年度予算概算要求を前に、「予算分捕り」に向けた自民党の動きが活発化してきた。(中略)参院選では、自民党の支持団体の多くが「集票マシン」として候補者支援に汗を流した。政権復帰して初の本格的な予算編成ということもあり、党内では「予算でお返ししないと地元が収まらない」(参院議員)と意気込みは格別だ。」
との記事が出ています。
衆参のねじれ解消は、私たちも政権担当時に悲願としてきたことですが、自民党に政権が移り、ねじれが解消したとたん、政治が10年前に逆戻りして、圧力団体の予算分捕り合戦の政治になっては、日本の政治はさらに後退してしまいます。トップのリーダーシップの下で、むしろ歳出を削減し、業界団体に守られて来た岩盤規制の緩和・規制改革によって経済成長につなげる政策を進めなければ、持続可能な社会を創ることはできません。
来年4月には消費税の税率引き上げが予定されていますが、与党がそういった状況だと、消費税の引き上げがバラマキの財源とされかねませんし、業界団体の組織代表が発言力を強めれば、岩盤規制の規制改革も遅れてしまいます。
与党の先祖帰りを阻止するためにも、参院選でさらに細分化してしまった野党を我が党の有志の政治家が中心となって新たな勢力の結集をすることが必要です。
三村和也