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2013年3月13日

TPP交渉の本質

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昨今の報道によると、与党政府はTPP交渉への参加を決断する方向のようです。ぼくは現職の時からTPP交渉参加を早急にすべきと主張してきました。

しかし、本質的に貿易立国である日本が、20年以上の停滞から抜け出して成長するアジアパシフィックの市場に出ていくことなしに成長戦略などありえないし、そもそも「交渉に参加する」かどうかを決断できてこなかったこの国の現状は、異常という他ないと感じます。

よく理解しなければならないのは、TPPの本質は「例外なき関税撤廃」ではないということです。例外があるから「交渉」するわけで、例外がないのなら交渉などあり得ない。

TPPの本質は「交渉の結果として」例外が認められないのではなく、「交渉の前提として」すべての品目を交渉対象に載せるというルールになっているということ。

だから、農業や医療など、我が国が守るべき国益は交渉の中で当然守るべきだし、我が国の経済、企業活動にとって不利なルールであれば、まさにそうならぬよう「交渉」すべきなのです。

それなのに、この数年、国論を二分するように、政治家、圧力団体が交渉反対運動を繰り広げ、マスコミもそれを助長してきた。これは反省を込めて、民主党政権の世論マネージメントの失敗だったのだと感じていましたが、政権が変わった今になっても、同じような光景がニュースで繰り広げられているのを見ると、むしろ、小選挙区制や今の国民性の問題なのかもしれない。


米国も、TPPに関して「交渉の結果として」例外が一切認められないとは、これまでも一度も言ったことはない。米国のTPPの定義は、一貫して、「包括的で高い水準」です。

どの国にも、守るべきセンシティブ品目があり、それらに例外を認めることは、いわば当たり前の前提です。だからこそ、参加表明をした国々は、延々と交渉を続けているのです。

TPP交渉は、「すべての品目が交渉の対象」となることが本質で、「包括的で高い水準」の達成を目指し、「最終的な結果は交渉の中で決まっていく」国際交渉なのです。

当然「例外」はあり、国益を守り、我が国に有利な国際経済ルールを形成するために、交渉を行うのです。

その意味では、当然ながら交渉に「参加してから」が本番であり、農業をはじめ様々な産業で「マーケットをアジアや米国に広げる」ことが可能になるように交渉すべきであり、当時に国際的にコンペティターが増える状況に我が国の産業が直面した時に、それでも生き残れるような成長戦略、規制改革による構造改革を進めることが重要です。

交渉参加の是か非かという入口論で立ち止まってしまってから3年もの月日を我が国は空費してしまいました。

一早く国際交渉と構造改革の本質論に政治は移行すべきです。

三村和也

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