2012年3月 2日
AIJ
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今日は9時から夕方までずっと財務金融委員会。6時間15分コース。
AIJ投資顧問会社が2000億円の厚生年金基金のほとんどを消失させていた問題が多く取り上げられました。
今現在、金融庁においてAIJの検査追求と第2第3のAIJがあり得るのか、同種の会社の検査を進めていますが、この問題の本質は、これまでの金融自由化の流れのなかで契約自由の原則となった投資顧問会社という形態が、やはり企業年金とはいえ、年金という公益性の高いお金を扱うことの議論であろうと思います。つまり、金融自由化と公益性の線引きの問題
投資顧問会社の場合はそれまで認可制だったものが、2007年から登録制に移行しています。一方でもちろん証券会社等は認可制です。
自由化と規制強化の線引きは難しい課題ですし、また、規制を強化しても、行政当局に規制能力が十分にあるかという論点も、金融の世界では生じます。これは原子力規制の分野でも同様のものがあり、役所に専門性がないということがあります。専門性の高い人材にとって役所が魅力的でないということでもあります。
ちなみに、この行政に専門性の高い優秀な人材を集める必要があるという論点は、年金積立金運用基金(GPIF)という我々の年金を運用していながら極めて実績の悪い世界最大の運用主体(見方によってはSWF(ソブリンウェルスファンド)と言えるかもしれません)でも同様の論点があります。
いずれにしても、AIJ問題に関しては、そういった観点からの制度改正が必要です。
三村和也