2011年12月 8日
共通番号制度の創設
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国民全員への番号付与はいまや世界の常識です。日本ではこれまで国民総背番号制→国家による管理!、住基ネット訴訟といった、番号に対する不安や拒絶といった流れが多かったわけですが、もし日本でも共通番号制が実現していたとしたら、東日本大震災で住民票や戸籍、貯金通帳や健康保険証などを失ってしまった被災者の皆さんへの支援ももっとスムースにいっていたかもしれません。たとえば年金や健康保険、民間の火災保険などの情報が番号で電子政府として維持されていれば、保険金を払ったり、証明書の再発行や義援金の振込、医療の提供など様々な支援がより円滑に出来たかもしれません。
それだけではなく、消えた年金や孤立高齢者の問題も、共通番号があれば事態はより改善されていたかもしれない。さらに、国民の利便性の向上という観点も重要です。毎年の確定申告で、領収書等を一年間紙で保管しておかなければならなかったり、複数の銀行口座の情報を入力しなければならなかったりする煩雑さをなくしたり、医療情報を電子的に共有して病院で病歴や通院歴や処方箋を共通で閲覧できることによるメリットは非常に大きいものです。
諸外国では、既に番号制度は普及しています。アメリカではソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)を事実上の共通番号として使用していますが、エストニアスウェーデン、デンマーク等々といった欧州諸国では、国民にIDカードを配り、医療、年金、税だけでなく、大学受験や国勢調査、電子投票などにも活用をしています。
実は日本でも、国民番号というものは既にいくつも存在しています。住民票の住民票コード、戸籍、年金番号、確定申告の税番号、運転免許等々です。むしろそれらがバラバラで「共通」化されていないことが問題です。もちろんプライバシーは守らなければならないですが、現在既にある諸番号を共通番号で連携させ、国民の利便性を飛躍的に向上させるとともに、プライバシー保護をこの機に強化する。そういった制度設計を進めます。
我が国の共通番号制度は、来年1月の通常国会に法案を提出し、2014年6月に国民に番号を付与できるよう、制度とシステムを構築していきます。この共通番号制度で行政の効率化、電子政府化を進めて世界に冠たる便利な電子政府を創れるよう、党では前述のワーキングチームに委員会を設置し、私が委員長となって議論を進めていきます。
三村和也