2010年12月 8日
日本政治はどこへ向かうのか
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「アメリカのサイドからの見方で、日本の安全保障政策が見えない」とのカーティス氏の指摘。
とても痛い。
党の外交安全保障調査会でこれまでにない生産的な政策を積み上げているのだが、外に見えるのは官邸だから、総理の強いリーダーシップでそれらの政策が担保されなければ、意味が無いのは事実。
そして、今日の報道では、武器輸出三原則の明確化が、国会運営上の社民党への配慮で、今回のタイミングからは外されたのも事実。
さらに、今の政治情勢で、この政権が党内外に強力なリーダーシップを取れるという確証があまりないのも事実。
ぼくは武器輸出三原則の件については、そもそも大綱の中身ではない(大綱は防衛力を定義するものであって、輸出政策は無関係)ので、たとえ今回の大綱のタイミングから外れても、それは大きな一歩であるし、国益に叶うので、タイミングの問題は総理の判断に任せるけれど、報道のされ方が「また社民に配慮」「数ありき」というものであることは残念だ。
ジェラルドカーティス氏の講演に話戻そう。
政治主導について。「官僚の意見を聞かないのが政治主導と思い込んでいる人が多いが、では誰の意見を聞くのか。昔は、たとえば土光臨調や経済財政諮問会議のように、総理、大臣の政策決定を支えるシステムがあった。」と。
法務大臣の件もあるが、そもそも能力のある人材を大臣に置かねばならないが、大臣就任後も、大臣の能力向上、意思決定を知識面、情報面で支える仕組みがあるべきだ。
そういう意味で言うと、橋本行革以来の流れ=数を少なくすることが行革、という考え方は、間違ってはいないだろうか。そもそも、これは、「役所の縦割り」の弊害を無くすために数を減らすという思想だが、縦割りは、官僚主導だから起こる事で、政治主導で官邸の力が強ければ、縦割りは起こらないわけで、縦割りの弊害の除去は政治主導というものが解決策であるべきだ。
逆に省庁の数は、専門性の拡大と、さらに、政治主導の徹底のために、細かく分けてしかるべきではないか。厚労省や国交省や総務省が特にそうだ。
カーティス氏「鳩山前総理の責任、もっと強い言葉で言えば「罪」は大きい。弱くてブレる官邸/リーダーシップのない総理の前例を作ってしまった。」と。「強いリーダーシップのためには、理念、ビジョン、優先順位を「分かりやすく」国民に示す」「例えばTPPなども、言った以上、それ以降は決してぶれない。表に言う前に根回しはしておく。方針に反対する政務三役は即日クビにする」「国民への分かりやすい説得」「この政権はこれだけは何が何でもやるんだという分かりやすい理念」
下を向くしかありませんが、今のトップリーダーに諦めずに根気づよく直言していくとともに、そう遠くない時期に自分自身がリーダーになった時のために準備を怠らないようにしようと。
三村和也